解像度ってなに?入稿時に必要な解像度についての豆知識【その1】

解像度ってなに?入稿時に必要な解像度についての豆知識【その1】 うちわ

写真を使った販促物をつくる場合、解像度の知識は切っても切り離せない重要な要素です。

今回は、いつも入稿時に付きまとうけれど実際詳しくは理解しにくい‘‘解像度‘‘についてちょっと深めに掘り下げていきます。

ちょっと専門的な長~いお話になりますので、目次で気になるところだけピックアップして読んでいただいても大丈夫です!

なぜ入稿時には解像度が重要とされるのか

解像度の指示は、しつこいぐらい毎回指示される印刷データのお約束2つのうちの一つで、画像は高解像度の方が良いんだなというのはみなさんご存じかと思います。

よくある入稿時の注意書きの一例

画像解像度350dpi以上

カラーはCMYK

フォントはアウトラインにする

…etc

解像度についてそこまで毎回言われる理由としては、解像度が高ければ高いほどきれいな仕上がりの印刷物になるからです。

解像度大

↑解像度が高い画像

解像度小

↑解像度が低い画像

ピクセルが細かいとなめらかで綺麗に見えます。

解像度大アップ
解像度小アップ

そもそも解像度ってなんなの?

画像を極限まで拡大すると細かな点(マス目)があつまって表現されているのがわかります。

この集まっている点の密集度こそが解像度の正体であり、ちょっと拡大したぐらいで点が認識できてしまうものは解像度が低く、かなり拡大しないと点に見えてこないものは解像度が高いといえます。

ドット(ピクセル)の話

解像度とは、1インチ(2.54cm)四方の四角形の中に、いくつ点が入っているのかを数値化したものです。

同じ広さの中に72dpiなら72粒、350dpiなら350粒入っていることになるので、一つ一つの粒のサイズは解像度が高いほど小さくなります。つまり粒が細かくて多い方がなめらかできれいな画像ということです。そしてこの一つ一つの粒こそがドットやピクセルと呼ばれているものです。

マス目説明

ドットやピクセルには決まったサイズがなく、
解像度によって大きくなったり小さくなったりする!

dpiとppiについて

どちらも解像度の単位ですが一般的にはdpiの方がよく耳にするかと思います。

dpiとは…1インチ(2.54cm)当たりのインクドットの数(印刷機よりの見方)

ppiとは…1インチ当たりのピクセルの数(パソコンよりの見方)

微妙に用途が変わるので単位が違うのですが、実はppiをdpiに変換したところで数は変わりません。したがって同じような意味で使われます。

しかし厳密には、パソコンのピクセルは四角くて隙間なくぴっしりと埋まっているのに対し、印刷機のインクドットは丸なので並べると隣のドットとの間に隙間があります。

この隙間を埋めるのに(パソコンで見るような綺麗な見た目でに印刷するのに)、大体倍ぐらいのピクセルが必要になるといわれています。

ppiとdpiの比較

これは、ホームページの画像がパソコンで見たらきれいなのに、印刷するとなんだか荒く見える理由の一つでもあります。

もっと解像度に詳しくなっちゃおう

ここからは、入稿には特に必要ないけれど、ちょっと語りたい解像度の裏話です。

知っておくと誰かに聞かれた時役に立つかも…?

ディスプレイ依存とは

画面ではきれいに見えるのに、印刷だともっときれいなものでないといけない理由をさらに詳しくお話しします。

パソコンモニターやスマホにはもともと設定されている解像度があります。

解像度72dpiの野菜の画像

↑72dpi

解像度350dpiの野菜の画像

↑350dpi

こちらの画像、どちらも優劣なくそれなりにきれいに見えますよね?

それはお使いのパソコンモニターが表現できる解像度に十分足りているからです。

それを超えた高解像度の画像をみてもまったく同じに見えてしまいます

一般的にその解像度が72dpiと言われており、ホームページなどに載っている画像はだいたいこのサイズまで下げられています。

では今度は72dpiの画像を印刷してみてください。モニターでみるよりも荒く見えるはずです。

つまり72dpiは、モニターで見るには十分綺麗だけれど、印刷するにはまったく足りていないということになります。

なぜ画面の方がきれいに見えるのかは、一つ上ですでに述べましたdpiとppiについてをご覧ください。

なぜ印刷に必要な解像度は350dpiといわれているのか

なぜ印刷に必要な解像度は350dpiといわれているのか

よく言われる入稿解像度350dpiという数字はどこから来たでしょうか。

印刷機にはそれぞれ線数というものが設定されています。

線数とは印刷するときにどぐらいの密度でインクを敷き詰められるのかという印刷機そのものが持っているスペックの高さになりますので、刷る印刷物によって左右されることは基本的にありません。

そして一般的な印刷機は150~175線程度と言われています。

150線の印刷機なら、150dpiのデータで十分なのでは?と思われるかもしれませんが

印刷機のインクは網点ともよばれ、規則正しいデジタルデータに比べて隙間ができてしまうので、その隙間を埋めるために大体倍ぐらいのドットデータが必要になります。

つまり、150線の印刷機で綺麗に刷ろうとするならば300dpiが適当ということで、印刷機のスペックの余裕をみて350dpiと指示されることが多いのです。

モノクロの場合は解像度は上げる?下げる?

モノクロの場合は鮮やかさなどを現さなくてよい分推奨解像度が下がるのでは?と思いがちなのですが、実際には倍ぐらいの600dpiが推奨されています。

なぜなら、一色で印刷する分、重なる網点が減ってしまうので、ドットの隙間が目立ちやすくなるためと言われています。

解像度が高すぎるとどうなるの?

解像度は高いほど良いというわけではありません。

高くすればするほどデータが重くなってしまうので、適正解像度を超えた画像がばんばん貼られたデータは印刷会社からあまり好まれません。

印刷会社のパソコンのスペックによっては最悪重すぎて開かないなんてこともありえますので、解像度を下げるなどの処理をして適正解像度を超える画像の入稿は控えましょう。

ポスターやビル広告、大型ディスプレイの解像度はそれほど高くなくてもよいってホント?

ポスターやビル広告、大型ディスプレイの解像度はそれほど高くなくてもよいってホント?

慣れてきたら、印刷された後の商品がどのように使われるのかも計算して解像度を考えてみましょう。

たとえば、手に持って使うもの(パンフレット、チラシ、うちわ)などは近くで見るので比較的解像度は高めがよいでしょう。

対して、大きなサイズのポスターなど遠くで見るものはある程度離れて見ることを想定していますので、荒い画像でも対応できます。

ビル広告などを間近で見てみると、ドットがしっかり見えてしまうことがあるのはそのためです。

次回は、実際に解像度を調べる方法、そして足りない場合にはどのような処理をするのかをご紹介したいと思います。

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